平川克美 『株式会社の世界史』

常見陽平さんの書評を見て興味を持ち購入。

圧巻の教養書だった。「株式会社学」の教科書である。これまでの400年、これからの100年をまさに総合的、俯瞰的に捉えたものだった。
新型コロナウイルスショックのことは、帯にしか書いていない。ただ、これくらいの超長期スパンで捉えることにより、この意味することが、よく分かる。結果として、コロナと株式会社を読み解くガイドになっている。

お硬い教科書的な記述でなく、話が色々な方向に展開されていて、読み物としてとても面白い。
(本書の構想ももとは社会人大学院の授業からとのこと)

序 章 株式会社という幻想共同体
〈第Ⅰ部 株式会社の500年―その歴史〉
第1章 ヴェニスの商人の時代
第2章 東インド会社の設立
第3章 複式簿記の発明
第4章 『国富論』とアメリカ合衆国の誕生
第5章 株式会社の蘇生力
〈第Ⅱ部 株式会社の「原理」と「病理」-コーポレート・フィロソフィー〉
第6章 経済的人間
第7章 株式会社の性格について
第8章 彼らが会社を愛した理由
第9章 欲望が作り上げた幻想
第10章 株式会社という幻想共同体と個人の欲望
第11章 技術イノベーションと「生の原基」
第12章 個人の倫理と国家の倫理
終 章 株式会社はどこへ行くのか

 
第一部の話の中心にあるシェイクスピアヴェニスの商人』もまだ持ってなかったので、これを機に購入して一気読み。

ヴェニスの商人 (新潮文庫)

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