リーダーとは

 企業の中での役割を考える場合、業務上の問題点の把握とそれに対する現実的な対処法の提示、そしてその実践と検証が必要であるという認識を常に頭においておく。

リーダーになるのは「どういう対応策をとるか」わかっている人だ。数人の旅行グループから企業組織、そして国家まで、リーダーは現実に対応し適応するために「組織として何をめざすのか」「そのために何をやるのか」ということを決定し、実現できなかったら責任をとるという役割を持っている。
 人望があるとか、剛胆であるとか、忍耐強いとか、リーダーとしての資質が話題になることが多い。だが、わたしはリーダーの資質などどうでもいいと思う。どんなに優れた資質があっても、「何をすればいいのかわからない」リーダーは組織を危うくする。リーダーは、「どこに問題があるのか」「何をすればいいのか」わかっている人でなければならない。
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 「何をすればいいか」を把握したあとは、戦術の細かな優先順位を考え、組織を団結させ、リスク要因を取り除き、ひたすらゴールをめざす。
(『無趣味のすすめ』p53-54)